余っている薬について
- お薬の管理について
残薬とは、処方された薬が飲み忘れなどの理由により手元に残ったものを指します。厚生労働省の調査によると、75歳以上の残薬だけでも年間500億円以上あるといわれており、日本全体では年間1,000億円以上にのぼるとも言われています。つまり多くの薬と医療費が無駄になっており、社会問題となっています。
「でもせっかくもらったから勿体ない…またいつか飲むかも。」「家族か知り合いにあげようかな。」などと思ってとっておいている方も多いのではないでしょうか。しかしこの行為はとても危険であり、絶対に避けてください。
例えば、薬には期限があります。多くの錠剤では2年~3年の期限が定められていますが、これは理想的な保管状況下であった場合です。光や湿度に弱い薬、温度に弱い薬など、様々な要因で薬の状態は悪くなります。その薬は本来の効果を示さない可能性もあるどころか、思わぬ副作用で体調不良に陥る可能性すらあります。
また医師は、その人の病歴、体形、生活スタイルなどを総合的に診て、体に合った薬を処方します。それゆえ、その薬が同じような症状の他の人に効くとは限りません。それどころか、「医薬品医療機器法違反」の罪に問われる可能性もあります。
お薬が余ってしまったら、ぜひ薬剤師にご相談ください。残薬の処理の仕方、飲み忘れがおきないためにできる工夫、一緒に考えていきましょう。